2012年1月11日水曜日

【映画評】エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン

新年1本目は、年末からずっと見たかったドキュメンタリー

【あらすじ】
バルセロナから車で約1時間半の場所にあるレストラン、「エル・ブリ」。
たった45席しかないこのレストランに、年間200万もの予約が殺到する。
その名の通り、「世界一予約のとれないレストラン」なのだ。

彼らは、半年間ディナーの時間のみ営業し、残りの半年は来シーズンのメニュー開発に費やす。
ゲストに厨房は公開しているが、長期密着は初めて。

料理界の革命児ともいわれるオーナーシェフ、フェラン・アドリアを筆頭に、
クリエイティブ担当の主任シェフたち、そして半年間働く60人ものスタッフ(客席より多い!)に密着した
緊張感あふれる、刺激的なドキュメンタリー。

【感想】
メニュー試作の段階は少し退屈したが、お店に戻ってきてからは、
店舗の速さと繰り広げられる刺激的なやりとりに引き込まれた。

様々な材料と向き合い、あらゆる可能性を探りながら、ベストな組み合わせを見つける。
それこそMECEのようにもれなくだぶりなく、何百回と繰り返す。
その全ての記録を文字で、画像で取り、検証していく。
レシピの数や、膨大ところではない。

リーダーとしてのフェランに学んだこと。
ぶれない強い態度、決断力の速さ、完璧への執念、
たまには部下の失敗を楽しみそこから良いものを創ろうとする器の広さ、
集中力、部下への信頼感

実際に試作をしているシェフから次々と差し出されるスプーン。
味を確かめては、すぐに良いか悪いかを判断する。
そのスピードは、美しいほど早い。
フェランという人間の魅力はそこまで伝わらなかったけど、
「世界一」の現場は、驚くほど完璧を求められる、刺激的な場所だというのはわかった。

「エル・ブリ」というレストランが存在する意味、それは
食べるお客様を驚かせ、料理を五感すべてで楽しませ、色んな感情を持たせること。
そのために、異常なまでにクリエイティブさにこだわるのだろう。

最後にコースのお料理すべての写真が出てくるが(3時間で35品も出てくるそう!)
正直「わーめっちゃおいしそう!」ってものは少ない
「これ食べたらどんな味するんやろう?」ってずっと思ってた
でも、「このアイディアすごいな!」とか「この料理を感じてみたい!」と思った
料理に対してそんなことを思ったのは、初めてだった

食べることは、生きること
普段から何を食べるのではく、だれと食べるか、を大事にしていますが
あまりにも未知なものを見せられたので
世界中のおいしい食べ物食べつくしたい!って気持ちになった

あー世界は広くて、おもしろい
そんな風に思わせてくれるから、映画が好き

【印象的な言葉】
私たちが表現したいのは、意外性と感動、そして新しい食感だ。

アイディアは朝起きてすぐに浮かぶものではない。創造は日々の積み重ねだ。


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