2012年1月8日日曜日

【書評】僕たちは世界を変えることができない/葉田甲太

【あらすじ】
医大生だった主人公は、何気なくすぎていく日常に疑問を感じていた。
そんなとき、郵便局で偶然見つけたポスター。
「150万円寄付してもらえればカンボジアに小学校が建つ」
これだ!と思い立って、勢いで仲間を募り、寄付金集めに奔走する。
と同時に、カンボジアの現実を知り、苦悩し、自分の現状を向き合っていく。

【読む前に】
映画化されることが決まってからずっと読みたかったのに、こんなに時間が経ってしまった。(1月5日読了)
同世代の人間が大学生だったとき、どうやってカンボジアに小学校を経てたのかとても興味があった。
自分が起こすこれからの行動のヒントが少しでもあればいいなと思う。

【感想】
この本を読んだから、途上国のために行動しよう!とは思わないけど、
やはり知らなければいけない現実があることを、改めて思い知らされた。

本当に私は恵まれた中で育ち、今も生活している。そのことを自覚し、感謝するべき。
でも自分は恵まれているから、その分貧しい人々を助けなければいけない、って思うのは、
少し傲慢なような気がした。
でも、傲慢でも何でもいいのかもしれない。
彼らは、間違いなく助けを必要としているのだから。

情けない、適当な自分がいやで、どうしても変えたかった。
そこまでは私と同じ。
でも、最初は軽い気持ちでも、一度やると決めたからには最後までやり通したことが、私と違う部分。

今からでも遅くない。

本当に、等身大のストーリー。
世界中の人が目を背けてはいけない問題がそこにあること、
怖がっていたのは問題から逃げていることだったんだと
改めて気づかされた。

きっとこの本も、若い人にこういう問題を知らせるために、本として映画として世の中に産み落とされるべきものだったと思う。
軽く読めるので、色んな人に読んでほしいと思う。
でも軽く読める分、読んだあとのずっしり感は、なかなか重い。
映像にするとどんだけインパクトがあるのか知りたいから、
是非映画も見てみたいと思う。
自分の人生がしっかり定まったとき、少し自分に余裕が生まれたときは、
途上国の支援活動をしたいと思う。

【印象的な言葉】
人を救うということは、自らが力を持つということなのだろうか。人を救うということは、自らを磨くということなのだろうか。

いい人と悪い人を行ったり来たりしながら、素直に生きていけばいい。

国籍、言語、肌の色、そんなもん全部とっぱらっても通じ合う「何か」。この先もずっと、その何かを感じて生きていければいいな。

自分のために今回の人生は人の幸せに貢献することに決めました。

お金を奪うことはできても、教養を奪うこはできない。

興味をもたれたら、ぜひ(amazonのサイトです)

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